考えてみよう 
家族をつくる選択

第1章 子供を持つかどうかの意思決定の方法とは

第1節 子供を持つのかどうか、いつ持つのかをどう決めればいいのでしょう?

人生は決断の連続ですが、そのなかには特に重大な決断もあります。
簡単な決断であれば、過去の経験や直感から無意識にしていることが多いでしょう。でも、間違えたら人生に影響するような重大な決断は、通常、時間をかけて行わなくてはなりません。そういった人生の一大決心をする時に使うのは、直感だけでなく、頭と心です。

親になるかどうかということも、まさに人生の一大決心です。一生に一度の、取り消しのきかない決断です。仕事は気に入らなかったら変えられます。パートナーとうまくいかなくても、別れることができます。でも、親になったら、逆に、親になる選択を逃してしまったら、もう引き返せません。つまり、子供を持たないと決めたら、生物学的に子供を持つ選択ができなくなる時期がやって来るのです。後になって気持ちが変わっても遅すぎるかもしれません。逆に、いったん子供を持っても引き返せません―あなたは生涯、子供の親なのです。また、率直にいうと、親であるとは大きな責任を背負うということであり、多くの犠牲を伴います。ですから、子供を持つかどうかという決断は、軽々しくできるものではありません。

子供を持つかどうかという決断が、人生の他の多くの決断とどう違っていて、どのように重要なのか、理由は他に二つあります。まず、子供を持つと決めたら、新しい生命をこの世にもたらすことの責任を引き受けることになります。この小さな人がどんな人になり、どんな個性をもち、どんな夢や希望をもつのか、事前に何もわかりません。そして、親になって子供と生活し始めるまで、自分たちがどんな親になるのか、この新しい人と新しい役割を受け入れるのにどう生活を変えていかなければならないのか、確実に知ることは、おそらくできません。友人の子供や自分の姪や甥でした経験や、今している経験から推測はできます。でも、その経験は、自分の子供に対して四六時中100%責任を負うことと同じではありません。我が子がどんな問題に遭遇するかもわかりませんし、親であるということの多事多難に耐えられるのかどうか、確実に知るのは無理です。

ならば、どうやって、このような人生を左右する決断をすればよいのでしょうか。どんなことを考える必要があるのでしょうか。

この決断をする上で考えるべき大事なことはたくさんあります。

  • あなたの望み
  • あなたの価値観
  • 親になること/子供をもたないことに対して払う犠牲と得られるメリット
  • あなた自身の「親になる資質」
  • パートナーの「親になる資質」
  • 将来後悔する可能性
  • 親になることに対するパートナーの感じ方

このあと、こういった重要なテーマについて一つずつ、対処の仕方、検討の仕方をお話ししていきます。自分の立ち位置がもうわかっていることもあれば、そうでないこともあるでしょう。それぞれを一つずつ検討していくことで、自分にとって正しい決断に近づいていくはずです。

しかし、こういう課題に自分なりに取り組んでも、子供を持つことが自分にとって正しい決断なのかどうか確信が持てない場合や、あなたとパートナーが子供を持つかどうか、いつ持つのかについて合意していない場合には、カウンセラーへの相談を考えてもよいでしょう。特に、決断を迫られているように感じる時や、あなたとパートナーがこの重要な話題で行き詰まっているような場合、外からの中立的な視点はとても参考になることがあります。

この決断を考えるのに役立つ本もあります。

The Baby Dilemma? How to Confidently Decide Whether or Not to Have a Child and Feel Good About It by Ann Meredith (2011)
ジレンマで悩んでいますか? 子供を持つ、持たない—自信をもって決めてすっきりするには アン・メレディス著 (英語版のみ)

The Parenthood Decision: Deciding Whether You are Ready and Willing to Become a Parent by Beverly Engel (2003)
親になるという決断—もう親になれる?なりたい? ビヴァリー・エンゲル著 (英語版のみ)

Maybe Baby: 28 Writers Tell the Truth about Skepticism, Infertility, Baby Lust, Childlessness, Ambivalence, and How They made the Biggest Decision of their Lives edited by Lori Leibovich (1995)
赤ちゃん欲しい?—作家28人が語る真実:いらない、不妊、たまらなく欲しい、子供のいない生活、割り切れない気持ち、彼女たちはいかにして人生最大の決断に至ったか。 ロリ・レイボヴィッチ編 (英語版のみ)

Do I want to be a Mom: A Woman’s Guide to the Decision of a Lifetime by Diana Dell and Suzan Erem (2003)
私、ママになりたい? 女性のための一生に一度の決断ガイド ダイアナ・デル、スーザン・エレム共著(英語版のみ)

ウェブに上がっている、子供を持つ/持たない決断について書かれたブログや文献も参考になるでしょう。数例をあげておきます。
https://www.babycenter.com/ready-for-parenthood
http://twomommys.com/lesbian-parenting-deciding-if-and-when-to-have-a-baby/