考えてみよう 
家族をつくる選択

第2章 自分の望みを評価してみよう

第5節 パートナーは一生子供はいらないと思っています。でも、私には親にならない一生は考えられないのです。どちらの望みを優先すべきでしょうか。

どちらの望みも大切です。両立は難しいこともあります。両立どころか対立すらしているようなら、調整はとても難しくなります。正直に気持ちを打ち明けてパートナーと話し合いましょう。あなたの子供がほしいという強い願いを伝えましょう。あなたの望みを満たせるよう、パートナーは子供を喜んで持とうとするでしょうか。子供はいらないというパートナーの気持ちは同じくらい強いでしょうか。行き詰まったら、カウンセラーに相談して手助けしてもらうのもよいでしょう。

どんな関係であれ、相手の望みを叶えるために、自分の望みを譲らなければならないことはありますし、その逆もあります。たとえば、誰の仕事を優先するのか、どこに住むのか、といったことです。この種の譲り合いは、健全な関係には大切です。しかし、子供を持つことが二人のどちらかにとって本当に大事で、子供を持たないことがもう一人にとって同じように大事なら、子供を持つかもたないかという決断で、二人の関係が壊れてしまうことがあります。

ですから、双方の望みを満たす妥協点が見つからないのなら、自分自身に厳しい質問を問いかけなければなりません。

  • •    子どもがほしいという願いはどのくらい強いか? 親になることで、どのような欲求が満たされるか?
  • •    その欲求を満たすのに、納得して実現できる方法は他にないか?
  • •    この先—子どものいない10年後、20年後、30年後の生活を想像できるか?
  • •    パートナーとの関係のほうが子どもを持つことよりも大事か?
  • •    パートナーの望みを叶えるために子どもを持たないことにしたら、恨むことになりそうか?

最後の質問は特に重要です。特にこういう重大な人生の選択をめぐって二人の間に怒りが生まれて溜まると、怨恨の種になってしまうからです。いったん植え付けられると、怒りはふくれあがり、わだかまることがあります。これは、実際によく起こります。鬱屈した怒りは、二人の間のあらゆる面を蝕んでいく毒のようになりかねません。

大事な願いが満たされない場合、その関係に別れを告げなければならないこともあります。愛する人との別れを意味する場合、これは特に途方もなく苦しく難しいことでしょう。でも、心の底から、自分には子どものない人生は考えられないと思っているのなら、勇気を振り絞って別れましょう。まだ時間があるなら、あなたと同じように親になりたいという別のパートナーを見つけられるでしょう。もう時間があまりないと思っているのなら、一人親になるという選択(※)もあるかもしれません。

※訳者注 日本では生殖医療に関する法律はまだなく、提供された精子や卵子から出生した子供の権利が十分に確保された状況とはいえません。わが国では、生殖医療は日本産婦人科学会のガイドラインに基づいて実施されていますが、生殖医療を受けることが出来るのは夫婦に限られています(事実婚を含む)。また、代理懐胎も禁止されています。カナダと日本では、法制度や生まれてくる子供の権利や福祉に違いがあることに留意してください。