考えてみよう 
家族をつくる選択

第4章 子供を持つこと・持たないことのメリットとデメリット

第3節 第三者の関与する生殖オプション(精子提供、卵子提供、代理懐胎、匿名ドナー対既知ドナー)を使うことの長所と短所は何でしょう。

※訳者注 日本では生殖医療に関する法律はまだなく、提供された精子や卵子から出生した子供の権利が十分に確保された状況とはいえません。現在は日本産婦人科学会のガイドラインに基づいて生殖医療が実施されていますが、生殖医療を受けることが出来るのは夫婦に限られています(事実婚を含む)。また、代理懐胎も禁止されています。カナダと日本では、法制度や生まれてくる子供の権利や福祉に違いがあることに留意し、専門家に相談してください。

家族を作るために第三者の関与する生殖という方法を使う必要が出てきた場合、費用対効果分析は、あなたの信念、価値観、感情の整理を助ける方法になるでしょう。ドナー精子、ドナー卵子、ドナー胚、子供をもつのを助けてくれる代理懐胎の長所と短所を考える際、この方法を使えます。

しかし、長所・短所リストを作って重みづけを始める前に、このテーマについて、もっと情報を集めたほうがいいでしょう。第三者の関与する生殖についてもっと知りたいなら、『第三者の関与する生殖/Third Party Reproduction』(未翻訳)を読んでください。以下のようなウェブサイトからは、さまざまな第三者の関与する生殖の現実、法律面、情緒面について、もっと知ることができます。

  • Resolve: The National Fertility Associationで、ドナー選択のすべてがわかります。ただし、この情報は米国の情報です。でも、カナダ人読者に関係する部分もあります。
  • 米国生殖医学会は、第三者生殖に関する情報を集めてパンフレットにしています。カナダ人読者に関係する部分もあります。
  • 第三者の関与する生殖の情緒面を扱っている論文もあります。

情報を入手したら、あなたが考えている選択肢の「長所」と「短所」を書き出して、表にしましょう。表ができたら、10を極めて重要、1をほとんど重要でないとして、各項目を10段階で重みづけしします。重要であっても決定的でない項目には5をつけます。

長所・短所リストの各項目についてランク付けをします。ランク付けが終わったら、欄ごとに重みを集計します。どちらが重くなっていますか? 長所欄の項目数が少ないのに重みが大きいのは、短所欄の項目より長所欄の項目があなたにとって大事だからです。逆も同じです。だから、各欄の項目数やリストの長さだけで決めずに、重みづけをすることが大切なのです。

もし長所欄の重みの合計が短所欄より大きければ、それはあなたが、家族を作るために第三者の関与する生殖を用いる長所を強く感じているということです。短所欄つまり費用(デメリット)の合計のほうが高いという逆の場合もあり得ます。

ここで、一歩下がって、このワークがあなたに教えようとしていることを考えましょう。数字はどのくらいしっくりきますか? ドナーの卵子・精子・胚を使うほうが、メリットが多いらしいこと、あるいは、あなたにとってはデメリットがメリットを上回るようであることを、納得できるでしょうか。その通りだと感じますか。あるいは結果に驚いていますか。そして、長所、短所をひとつずつ見て、選択できない要因になるものがないか、自問しましょう。もしかしたらあなたは、生まれてくる子供にパートナーの特徴を受け継いでほしいのかもしれません。そうであれば、ドナー精子を使うという選択肢はなくなります。

この決断の逆、つまり、第三者の関与する生殖を使わない選択の長所と短所を探る費用対効果分析もしましょう。あなたにとって、第三者の関与する生殖が適切で追求する価値があるかどうか、両方向から考えることで、もっと良くわかるようになるはずです。

パートナーと一緒に検討している場合は、各自で長所短所リストと作って重みづけすると参考になるでしょう。あなたが短所だと思うことをパートナーは実は長所と考えていることがわかるかもしれません。同じ項目の重みづけが、パートナーとあなたとで違っていることがわかるかもしれません。こうした点は、二人で意思決定のプロセスを進める際の話し合いで、大事なテーマになるでしょう。