第7章 行き詰まりの打開
第2節 私はすでに子供がいて、これ以上欲しくありません。今のパートナーは、子供を作らないことに同意していたのに、心変わりしました。この膠着状態をどう打開すればよいでしょうか。
これは困難な状況で、多くの夫婦が直面するものの一つです。合意済みと考えていたのに、ここに来て状況が一変し、あなたは困惑し、傷つけられ、怒りを感じているでしょう。特に、今のパートナーとは子供を作らないことを条件に一緒になった場合には、もう解決したものと思っていたところでそんな状況が出て来て迷惑だと思うでしょう。
この状況は本当に動きのとりようがない膠着状態です。いくらパートナーと意見を一致させたくても無理です。あなたはもう親になっていますが、彼女はそうではなく、彼女も親になりたいのです。この場合、あなたはいろいろと対立することになります。あなたが譲らず、子供を作ることに同意しなければ、彼女はあなたから去るかもしれません。今、彼女は自分の人生にとって子供を持つことが大事だと決断したのに、行く手にあなたが立ち塞がっていることで、彼女は怒りを感じているかもしれません。でも、あなたが譲ってもう一人子供を作ることに同意すれば、今の関係ではいられないことは必至ですし、退職する時期も含めて将来の計画や夢が変わることになります。あなたは怒りを感じることになるでしょう。
パートナーは物事をややこしくしたくて変心したのではない、と考えてみましょう。彼女も、本当に大丈夫だと思っていた決断に今になって疑問を抱いて、驚きや狼狽を感じています。あなたは、子供のことは“関係を壊す”ものだということを事前にはっきりさせていました。ですから、彼女は、あなたに去られることを恐れているでしょう。
双方にとって何が最善かを考える前に、あなたが受け入れることができるのは何かを見極める必要があります。自分に問いかけたい大事な質問をいくつか挙げます。
- 今のパートナーと子供をもつことを考える方法がなにかあるか。
- 一緒に親になるメリットはデメリットより大きいか。
- パートナーとは良い関係か。
- 二人の価値観は同じか。
- パートナーは良い母親になるだろうか。
- 二人とも良い両親になるだろうか。
- 今のパートナーとの子育ては、あなたの他の子の母親がした子育てとは違う(もっと良い)だろうか。
- すでにいる年上の子供は、あなたが別の子供をもつことをどう感じるだろうか?
- この問題によってパートナーとの関係が終わったら、自分はどう感じるだろうか?
このセクションの最初の問い(第7章第1節)はパートナーにも役立つでしょう。
いつでも話し合える状態にしておいて、立場に固執しないようにしましょう。最終決定の前に、お互いの立場を考える時間を作りましょう。
この対立を独力で解消するのはとても難しいでしょう。カウンセラーに相談して、二人が問題を乗り越えるのを助けてもらうのもいいでしょう。
あなたとパートナーに役立つ本もあります。
- I Want a Baby, He Doesn’t: How Both Partners Can Make the right Decision at the Right Time by Donna Wade (2005). 意見の合わない二人がタイミング良く親になるのを決める方法 ドンナ・ウェイド著 (英語版のみ)