プレコンセプションケア

プレコンセプションケアとは、
子どもを持つことを計画している人も、持つつもりのない人も、妊娠する可能性のある男女全員が、
いつか生まれてくる赤ちゃんのために、妊娠前から健康づくりをしましょうという考え方です。
以下は、米国疾病管理予防センターから許可を受けて作成した日本語翻訳版ですが、
現在、日本版プレコンセプションケアチェックシートの作成に向けて準備中です。
計画外妊娠の予防
気が変わる可能性もあるけれど、今は妊娠したくないなら
- パートナーと話をしましょう。妊娠したくないことをわかってもらい、プランの実行に協力してもらいましょう。
- 自分で決めた避妊法を必ず、正しく使いましょう
- その避妊方法が“使える”状態かどうか確認しておきましょう
- ピル(経口避妊薬):在庫は十分ありますか? 使い切る前に補充しましょう
- コンドーム:手近に十分な個数を用意しておき、使い切る前に補充しましょう
- IUD:交換時期の確認をしましょう
- ペッサリー(※):きちんとフィットし、穴があいていないか確認して使いましょう
- 殺精子剤(※):毎回、必要量があることを確認してから使いましょう(※現在日本では販売されていません)
- 定期的に、かかりつけの産婦人科に相談しましょう
健康的な食品を摂る
食事や小腹が空いたときの計画を事前に立てて、食品を用意しておくと、不健康な選択をすることが少なくなります。
- 食料品店、市場、近所の菜園に行く前にリストを作りましょう
- 店の中でいちばん健康的な食品が売られている棚から買いましょう
- 野菜や果物をたっぷり摂りましょう
身体を動かす
定期的に運動したり、友達と身体を動かしたりする時間を作るとよいですね。
1日10分間でも運動をすると、目標を達成しやすくなります。
- 毎週、150分間、中強度の運動を心がけましょう
- 曜日は?
- 時刻 は? (昼食後、終業後など)
- 方法は? (ウォーキング、ジムに行くなど)
- エクササイズ仲間をみつけましょう
- 自宅や職場で身体を動かす方法をみつけましょう
- 入口から遠い場所に駐車する。
- 昼食時に散歩する。
葉酸を毎日400 μg摂る
葉酸は健康に役立ちます。
毎日摂っておくことで、妊娠の決心をしたとき、偶然妊娠したときに、赤ちゃんの脳や脊髄の先天異常を予防するのに役立ちます。
- 栄養表示に「葉酸400 μg含有」となっている朝食シリアルを食べない場合には、必ずビタミン剤を飲む。
- 歯ブラシの横やキッチンカウンターにビタミン剤を置いておけば、毎日服用することを思い出せます。
性感染症から身を守る
- 禁欲(性交渉をもたないこと)が最良の予防策
- お互いに自分とだけ性交渉することに同意した一人とだけ性交渉する
- コンドームを買って、毎回コンドームを正しく使う
- 性感染症のリスクに曝されているかどうかを確かめる
- 必要なら、医師の指示に従って常に薬を全部服用する
自宅周辺や職場で、有害な化学物質、金属、その他有害物質を避ける
ワクチン接種が最新の状態であることを確かめる
予防接種は多くの病気の予防策として最善です。
深刻な問題を引き起こすおそれのある病気に対して自衛することが大切です。
- 毎年インフルエンザの予防接種を忘れないこと
- 予防接種スケジュールを確認しましょう
- 最新のワクチン接種情報を医師に教えてもらいましょう
ストレス管理と軽減で心健やかに
- 心の健康についてもっと知りましょう
- ストレス要因に注意しましょう
- ストレス軽減プランを立てましょう
- 十分な休息を取りましょう
- エクササイズで気分を向上させましょう
- 飲酒量を制限し、たばこ、その他の薬物を避けましょう
- 必要なら、支援者や支援グループをみつける。
禁煙
喫煙は自分にとっても、周りの人にとっても健康を害します。
副流煙も不健康です。健康になりたいあなたは、近くに喫煙者がいたら、避けましょう。
- 医師に相談してサポートしてもらう
- ウェブ・ ホットラインも活用しましょう
- 支援者や支援グループをみつけてサポートしてもらいましょう
ドラッグを使わない、他人の処方薬を服用しない
自分の処方薬でない薬を飲んではいけません。
- 医師に相談してサポートしてもらう
- 支援者や支援グループをみつけてサポートしてもらいましょう
飲酒量を減らす
- 飲酒は週7杯未満に減らす。毎回、絶対に1杯以上飲まない。
- 医師に相談してサポートしてもらう。
- 妊娠がわかったら即、飲酒を止める。
- 妊娠中の飲酒は、先天異常を引き起こすことがあります。妊娠中のアルコール量について、安全といえる量はありません。
- 支援者や支援グループをみつけてサポートしてもらう。
パートナーの暴力をやめさせる
虐待には感情的・身体的・性的なものがあります。
虐待されていい人はいません。
自分や家族に暴力が及んだら、対抗措置に出られるくらい、私は自分と子どもを愛しています。
- 医師に相談しましょう
- カウンセラーに相談しましょう
- プランをたてましょう
- 家庭内暴力ホットラインに電話しましょう
喘息、糖尿病、肥満など、自分の健康状態を管理する
自分の健康状態についてもっと知りましょう。
- 健康管理と服薬のプランについて医師に相談する
- 支援者や支援グループをみつけてサポートしてもらう
家族の病歴を知る
家族の健康問題を知っておくと、自分も医師も問題を見極めやすく、予防法・対処法をみつけやすくなります。
- 家族の健康問題について、両親、祖父母、兄弟姉妹、親戚に尋ねてみましょう
- 記録をつけてみましょう
- 毎年更新しましょう
定期検診を受ける
定期的に、あるいは質問があれば医師に診てもらいましょう。
- 一生の間に達成したい目標を考える時間をとりましょう。
- 最高の健康状態であれば、これから来るチャンスをめいっぱい生かすことができます。
- プランの実行方法は、パートナーと医師に相談しましょう。
- 成り行きで計画が変わることもありますから、定期的に見直しをして更新し、医師に相談にいけるようにしましょう。
- 近い将来、子どもを持とうと決めたら、妊娠のプランを立てて、妊娠前に体調を整えましょう。
- 選んだ道を行く準備ができたら、健康的な選択にとりかかりましょう。
- 世界中でいちばん大切な人—あなた自身—を大切にしましょう!